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あなたの知らない京都

梅小路公園の春を彩る「奈良の八重桜」&「長神の社」の小倉百人一首歌碑めぐり

4月ももう後半…遅咲桜ももうそろそろかと思いましたが、梅小路公園の桜はまだまだ頑張っていました。今見ごろを迎えているのは市電ひろば前の八重桜と水族館周辺の遅咲桜です。

その中でも興味深いのは「奈良の八重桜」。今までどれほど桜を見てきたか…なのに「奈良の八重桜」に気づいたのは初めてでした。

今回の投稿は「奈良の八重桜」をご紹介させていただきます。

梅小路公園・奈良の八重桜

奈良の八重桜…をご存知ですか?百人一首でも馴染の奈良の八重桜をこの前…思いもよらぬ場所で見つけました!その場所とは…数え切れないほど足を運んだ梅小路公園です。

ピンク色の八重桜が目を引く中、薄色の花びらはあまり目立つこともなく、私もこの前始めてその美しさに気づきました。

ニ色梅やハナモモのように2色桜🌸とも言えるでしょうか。その色合いが平安時代の重ね色のように繊細で綺麗でした。

その「奈良の八重桜」は百人一首にも載せられていて、嵐山の「長神の社」にはその歌碑もあるのです。

長神の社

何回も通った道ですが、中に入った事はこの前が初めてでした。

長神の杜
当園地?は古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法に基づく歴史的風山特別保存地区内にあります。 美しい自然風景を保存するとともに、みなさまに楽しんで?いただくために、散策路の整備や樹木植栽を行っています。当地周辺は、旧字長神と呼ばれていた事から当園地を長神の杜と名付けました。
 
京都市

京都市の説明によると「長神の社」は公園に近い場所だそうです。なら、長神公園か長神園、長神苑のほうが親しみが会って、人も気軽く入れると思うのに、なぜ、社と名付けたのでしょうか。ちょっと疑問です。

広々した空間に殆ど人もおらず、静かに満開を迎えている見事な枝垂れ桜に出会えたのは感動、そのものでした。『ワンピース』のヒルルクには及びませんが、ヒルルクのその時の心が少しながら分かるような気がしました。

長神の社・百人一首歌碑

嵐山には小倉百人一首歌碑が5ヶ所に置いてあります。その中で「奈良の八重桜」の歌碑は「長神の社」にあります。「長神の社」には「奈良の八重桜」を読んだ伊勢大輔を含め、その歌が生まれるきっかけを作ってくれた紫式部、伊勢大輔の祖父である大中臣能宣朝臣の歌碑も置いてあるので、百人一首が好きな方は足を運んでみてください。

https://www.samac.jp/about/pdf/kahimegurimap.pdf

伊勢大輔・百人一首

百人一首・61番

✅いにしえの奈良の都の八重桜 けふ九重に匂ひぬるかな 伊勢大輔(いせのたいふ)

かつての都である奈良で咲いていた八重桜が今日は今の都である京都の宮中で美しく咲いています。

この歌が生まれたのはある意味で紫式部のお蔭とも言えます。

大河ドラマ『光る君へ』のヒロインでも知られる紫式部。ドラマではまだ宮中で働く前で、昨日だと疫病に移ってしまったまひろ(紫式部)を藤原道長が一晩見守るシーンがありました。その甲斐あって、回復する紫式部。その先、紫式部は女房として藤原道長の娘である中宮彰子に支える事になります。

一条天皇の時の事です。奈良から宮中に八重桜が届きました。その時、お届きものを帝に渡すのは紫式部の役割だったそうです。しかし、紫式部は新人の伊勢大輔にその役を譲ります。なんというお優しい心でしょうか。

でもよく考えてみたら、意地悪だった可能性も?「あなたのような新入りがこんなのできるわけないでしょうが、やってみるかい?」

お優しい心からの結果だったならばご立派、意地悪からの結果だったならば、惨敗という事でしょうか。でも個人的にはその結果を予見した上でのお譲りだった気がします。

思わぬ代役を任された伊勢大輔の緊張は想像もできないほどでしょうが、何とか帝に届けに行くと、その場にいた藤原道長が八重桜に歌を添える事を言われ、伊勢大輔が詠んだ歌がこの歌なんです。

伊勢大輔はこの歌で「いにしえ」と「けふ」、「九重」と「八重」を上手く対応させています。瞬時にこのような歌が作られるなんて、生まれつきの才能ですね。大役を見事に果たしたその達成感は一緒忘れなかったでしょうね。

奈良の八重桜・歌碑

大中臣能宣朝臣・百人一首

百人一首・49番

✅御垣守衛士のたく火の 夜はもえ 昼は消えつつ ものをこそ思へ  大中臣能宣朝臣(おおなかとみのよしのぶあそん)

 

夜は燃え上がって昼になると消えてしまうかがり火のように私も夜はその思いが燃え上がり、昼はこの身が消えるほど深い思いに悩んでいます。

御垣守(みかきもり)とは宮中の門を守る人の事。かがり火に自分の恋の思いを寄せた句になります。作者は衛士ではなく、三十六歌仙の一人でもある大中臣能宣朝臣で「奈良の八重桜」を読んだ「伊勢大輔のおじいさんです。やっぱりおじいさんのその素晴らしい才能を受け付けたのですね。

 

紫式部・百人一首

百人一首・57番

めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな

 久々にあなたに会えたのに、あなたかどうかもはっきりしないうちに帰ってしまうのですね。雲に隠れてしまう夜中の月のように。

紫式部は久々に長馴染みのお友達に会えたのですが、その友たちとゆっくり話す事も出来ず、月と競争するかのように帰ってしまった事を読んだと言われています。

 

長神の社・青もみじ&枝垂れ桜

長神の社はこれからの季節にかかせない青もみじの穴場でもあります。今だと、まだまだ頑張っている枝垂れ桜にも会えるかもしれません。二尊院からも近いので、行かれる方はぜひ寄ってみてください。

アクセス

梅小路公園

長神の社

二尊院に向かう道にある公衆トイレを進んで、左側にあります。

kyotostory🌸嵐山・百人一首歌碑

小倉百人一首歌碑については別の投稿で書いておりますので、興味のある方はリンク先をご参照ください。