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あなたの知らない京都

安楽死・死を選ぶ自由と尊厳

いきなりですが、あなたは自分の最期を考えた事がありますか?

ひょっとしたら、テレビや映画で馴染みの「ベットの上で友人や家族に見守られ静かに息を引き取る」とも思ったりするのでは?

しかし、それがどれほど可能性の高い死に方だと思いますか?

この前、死去したフランスの俳優アラン・ドロンさんはまさにその死に方だったようですが、彼はいち早く自分は安楽死で死ぬ事を息子に伝えていました。

(それゆえの事でしょうか。アラン・ドロンさんは自分の愛犬を安楽死させて一緒に埋葬してほしいと望んだという事ですが、その願いは叶わなかったようです)

とにかく、このような、またはお医者さんが先見の明で今夜見守ってくださいと言われて、その夜にお亡くなるというラッキーな場合以外、誰かに見守れて死ぬ、という事はなかなか難しいと思います。

病院や施設は言うまでもなく、家だって、誰も気付いてないうちに一人で死ぬ可能性が高いのではないでしょうか。お年の方にとって最高の死に方として寝ているうちに死ぬという話もありますが、それは本当にすでしょうか。

一人暮らしでのその死に方はむしろ孤独死と言えるのではないでしょうか。何の苦痛もなく死んだとしても、死後、そのまま見つかるまで放置される、もしかしたら、死後数年が過ぎても誰も気付かずのお方もおられる可能背も高いとも言えます。

又は、老々介護、5080介護…介護に疲弊した家族に殺されるか同伴自殺か。

安楽死、もし、自分の家族が安楽死を望んだらどうすればいいのか…正直、答えは難しいと思います。

でも、せめて、自分の死は自分で決める事ができればと思います。

今回、韓国から帰ってから五日後、認知症だった父が急変し、病院に入院しました。色々体調不良が重なって、しばらくは何が起きるか分からない状態で、夜も連絡が来るのではと怖くて眠れない日々が続きましたが、今はすこし安定してホッとしております。

今回、身内の死を初めて近くで感じ、改めて『死』に向き合う時間が増えました。

自分は日本で住んでいる外国人。病気で先が短いと知ったとしてもあの時は既に韓国には親戚しかいない。恐らく韓国に家族はいない訳です。つまり日本で死ぬ事になります。

韓国に帰れ!と言わないでください。私には日本に家族がいるのですから。

ただ、事故、または希望のない病気で家族に迷惑をかける事になったら、その時は安楽死を選びたい、それだけの願いなのです。

安楽死という制度で殺される命があってはいけないという事、これをちゃんと押さえておかないと安楽死への道のりはまだまだ遠いと思いますが…。

今回、韓国で初めて墓参りをして、一緒だったいとことも安楽死の事を話すと、韓国でも安楽死を望む声が多いという事でした。

 

日本も韓国も安楽死が認められない現実。死ぬためだけに大金を払ってまでスイスに向かう方々の話をよく耳にするようになったのも安楽死に対する関心が高まっている事を示していると思います。

そんな中、この前のニュースで安楽死カプセル『サルコ』が話題を呼びました。『サルコ』に入ってボタンを押すだけで5分ほどで死に至る。医者の立ち合いも要らないです。

驚きなのはその『サルコ』の利用料。3100円ほどで利用できるという事です。スイスまで行かないといけないとはいえ、以前のスイスでの安楽死に比べると激安!もう申請者がいるので、今後使われる可能性が高いという事ですが、初めての『サルコ』利用者はどんな方なのか、かなり興味深いです。

年を取るのは避けられない事。死も同じ。だが、その死を選ぶ事はできる。

「美しくて幸せな死」……その安楽死が日本と韓国で合法化になる事を願います。

よろしければ、、安楽死に関する別の投稿もご覧ください。

映画『峠最後のサムライ』には「人には心に決めたふるさとがある」という印象的なセリフがありました。「心に決めたふるさと」とは自分の死を迎える場所としても伝わってくるのです。

映画に関しては別に投稿しておりますので、興味のある方はご参照ください。