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あなたの知らない京都

「フランス映画のように」…安楽死を考える

20231005投稿・20230318追記・再投稿

昨日、ヤフーニュースで興味深い記事がありました。安楽死を選んでスイスに渡り、その死を成し遂げた方の話と共に安楽死に関する賛反の意見も取り入れた記事でした。

安楽死に関してはあまりニュースで取り上げる事がないので、今回の記事にはありがたい気持ちもありました。

 

今回の投稿は安楽死に関する内容になりますが、ご了承ください。

安楽死

安楽死(euthanasia)とはギリシャ語の 'euthanatos'(美しくて幸せな死)から由来したようです。

年を取ると誰にも平等に訪れるのが死。その死をどう迎えるのか。安楽死はそれを問います。

積極的安楽死と削極的安楽死

積極的安楽死は、明確な患者の意思を前提に、耐えがたい苦痛があり、回復の見込みがない、代替治療がないなどのいくつかの条件の下で、医師が患者に致死薬を投与する行為。これに対して、同様の条件で、医療従事者が処方した致死薬を患者が自ら摂取する行為が自殺幇助(ほうじょ)にあたる。日本ではいずれも認められていない。一方、本人の意思を前提に回復の見込みのない病の終末期にある患者に対して、延命のためだけの治療を中止して死に至るまでの苦痛を緩和する行為は消極的安楽死とされ、日本では「尊厳死」と呼ばれる。

https://www.asahi.com/articles/ASR4V3JSTR4KUHBI03L.html

リビングウィル

「リビングウィル」は事前に医療・ケアの選択について意思表示しておく文書で主に延命治療を拒否の意志を表している方が多いとされます。リピング・ウイルの書き方はネットでも多く載せられているので、個人でも書く事ができます。

🔹日本では自らの意志で延命治療を拒否して、死を迎える消極的安楽死尊厳死)は日本では法律的には確立されておらず、幾つかの裁判の判決で『「治療中止は認められる」』との見解が出ています。

リビング・ウイルとは | 公益財団法人 日本尊厳死協会(リピング・ウイル協会に登録する事ができます。)

安楽死で死なせてください

人の死というのは昔だったら老化による自然死と流行の病気が多かったでしょうが、今の世の中は原因不明の難病が増えつつあり、認知症や癌もいつ自分の身になるか分からない時代になった気がします。

2021年お亡くなった橋田壽賀子さんは生前、安楽死を希望しました。あの、橋田壽賀子さんさえ、年を取った自分がなんの役にも立たないので、安楽死ができれば今でも死にたいという思いでおられたようです。(本はまだ読んでおりませんが、購入したので、届いたら、読むつもりです)

人さまに迷惑をかける前に死にたい。それが私の望みです。

食事から下の世話まで人さまの手を借りるなら、そうなる前に死なせてもらいたい。これは、尊厳とプライドの問題です。

死ぬときに、痛いのや苦しいのも嫌です。だからいつどうやって死ぬか、自分の意思で決めさせてもらいたい。それには安楽死しかありません。

ヨーロッパのいくつかの国やアメリカのいくつかの州では、安楽死が合法です。だから日本でも認めてもらって、わざわざ外国へ行かなくてすむようになれば助かります。

食事から下の世話まで人さまの手を借りるなら死んだ方がいいと思う方もおれば、同じ状況でも今を一生懸命に生きたいと思う方もおられると思います。

あなたと私の考えが同じ訳もなく、橋田壽賀子さんと私もまた違います。同じ病気でも笑顔で過ごせる人もいれば、毎日が地獄の人もいるでしょう。

安楽死という言葉で傷つく方もおられるかもしれませんが、安楽死は自分の意志が一番尊重されないと意味がないと思います。これから紹介する映画でも安楽死を決めるのは自分です。家族はあくまで家族、人生は別なのだから。

安楽死という制度で殺される命があってはいけないという事、これをちゃんと押さえておかないと安楽死への道のりはまだまだ遠いと思います。

映画・『プラン75』

ここで興味深い映画をご紹介させていただきます。

映画『プラン75』。75才という老後にプランとも見えるが、『プラン75』というのは75歳になれば、自分で死を選ぶことができるという制度の事。住民票がなくても対象になるので、日本に住んでいる人ならだれでも?申請できるかもしれませんが、その点は映画では確かではない。

一回申し込むと自由に使えるご褒美の10万円がもらえて、もし、心が変わるとキャンセルもできる。死のキャンセルができる訳ですが、ご褒美の10万円は返却されるのでしょうか。

映画の中では一見孤独にも見えますが、淡々と生きていくお年の方が多く登場する。

しかし、社会はその高齢者に対して優しくない。そこをどう乗り越えるのか、そこで思いつくのが『プラン75』という選択……しかし、彼女の最終選択は美しい日の出とは反対に明るい未来とは思えないのが悲しい。

映画『プラン75』は別の投稿で書いております。安楽死に関する考えも書いておりますので興味のある方はご参照ください。

映画・『フランス映画のように』

 

映画・『すべてうまくいきますように』

安楽死を望む父のため、戸惑いながらもお手伝いをする家族。フランスも安楽死は認めておらず、スイスでの安楽死になるらしい。その安楽死の過程がかなりリアルに描かれているという感想もあったのでかなり興味深い映画。早くAmazonPrimeで観れるようになって欲しい。

終わりに

積極的安楽死と削極的安楽死、そこに加えて私はできるならば…選択的安楽死を望みます。重い病気ではなくても「これでよし!」という時が来たら、穏やかに死を迎えたい。ある意味では『プラン75』と似てるかもしれない。

例え、入院や老人ホームで過ごすとしても…24時間、ずっと誰かがいるとは思えないし、一人で死ぬ可能性が高いと思う。なら、まだ動けるうちに、好きな人たちに囲まれて、楽しい時間を過ごして、感謝とさよならを伝えて、穏やかに死を迎えたい。

でも、私がその死を看取る立場になったら……果たして、笑顔で見送る事ができるのか、それはむしろ絶えない悲しみになるかもしれない…。

もちろん、年の制限などいろいろ考えないといけない部分が山ほどあると思うが、私は…ある意味『プラン75』に似た「選択的安楽死」ができればと思う。

介護疲れによる同伴自殺や殺人はこれから増える可能性は高いが、おそらく、減る事はない。これからの日本はいやでも安楽死と向き合わないといけない日が来ると思う。あの時、安楽死は今とはまた違う死になるかもしれない。

年を取るのは避けられない事。死も同じ。だが、その死を選ぶのはできる。

「美しくて幸せな死」……その安楽死が日本でも合法化になる事を願います。