kyotostory🌸

あなたの知らない京都

青蓮院門跡 五年ぶりの夜の特別拝観へ:川端康成の『古都』と青蓮院

https://www.shorenin.com/night/

夜の京都・東山に、五年ぶりの青い光が戻ってきました。

青蓮院門跡の「夜の特別拝観」。偶然、ニュースでその庭の写真を見た瞬間、大昔の想い出がふとよみがえりました。

青蓮院の夜の特別拝観には20年近く前、一回だけ行った事があります。青に包まれたような境内がとても幻想的だった事を思えています。

秋の夜間特別拝観

🔹開催期間
令和7年 11月7日(金)~12月7日(日)
🔹開催時間
18:00~22:00(21:30受付終了,昼夜入れ替え制)
🔹拝観料金
個人:大人1,000円 小中高生500円
団体(30名以上):大人800円 小中高生400円

青蓮院門跡

青蓮院門跡は、京都・東山区にある天台宗の寺院で、皇室や公家と深い関わりを持つ格式ある門跡です。
本尊は 熾盛光如来(しじょうこうにょらい) で、燃え盛る光のように衆生を照らす仏として信仰されています。
また、境内で最も有名な仏像である 青不動明王は、青い姿で衆生を守る存在感に満ちており、訪れる人の目を引きます。
庭園は池泉回遊式で、巨木や四季折々の景色が美しく、夜の特別拝観ではライトアップされた光と影の中で、仏像と庭の静けさが響き合う幻想的な空間を体験できます。

20251107・nhkニュース

2009・青蓮院門跡 お守り

青蓮院お守り

青蓮院お守り

川端康成・古都&ライトアップ

青蓮院の夜の特別拝観は川端康成さんも『古都』の中で書いています。

「お父さん、夜の観光バスのコオス、知っといやすか。お寺では、青蓮院が一つ、はいっていて、パスが着くと、お坊さんが、なん人か、提灯をつけて、お迎えに出やはんのどす。」

僧たちの提灯のあかりに、玄関まで、みちびかれてゆく道は、かなりある。しかし情趣は、それだけと言っていいだろう。遊覧バスの案内記によると、青蓮院の尼僧たちが、薄茶の接待をしてくれることになっている。

―― 川端康成『古都』(新潮文庫、2006年改版)

川端康成さんが夜の観光バスで青蓮院を訪れた時は今と少し違ったようで、主人公の千重子を通して、その感想を書いていますが、それがかなりよくないのです。特に立て出しで接待されるお茶に辛辣な批評が加えています。

私が行った時、お茶の接待があったかどうかは覚えていません。
しかし、青蓮院の夜の特別拝観で照らされる庭は、単なるライトアップではありませんでした。
まぶしさで目を刺すような光ではなく、どこか沈黙に近い安らぎを伴った光が、庭園やクスノキを静かに包みます。
歩くたびに変わる影と光の間に、時間がゆっくりと流れるような感覚があり、訪れる人の心をそっと落ち着かせてくれます。

あの時訪れた光景や、川端康成『古都』の文学的情景と重ね合わせると、光と静寂が交わる瞬間が、記憶と現在をつなぐ特別な体験だったように思えます。

川端康成・古都&クスノキ

おわりに

ニュースから流れる五年ぶりに灯る青い光を見ながら、私は川端康成の『古都』に描かれた青蓮院を思い出しました。

文学の中の青蓮院は少し冷たく映るけれど、今の光は優しく、心に寄り添ってくれます。あの時にいただいたお守りと一緒に、またこの青い光に会いに行こうと思います。

将軍塚の夜間特別拝観はなし

✅将軍塚の夜間の特別拝観は行っていないので、ご参照ください。

将軍塚は昼でも見晴らしが素晴らしいので、おすすめです。

アクセス

青蓮院

🔹地下鉄東西線「東山駅」から徒歩約10分前後

🔹市バス「神宮道」下車すぐ

将軍塚