
京都には有名な桜名所が数多くあります。
けれど、観光地ではない場所に、心がほどける春があります。
ありすの小径とは

ありすの小径は、京都市右京区、有栖川沿いに続く小さな散策路です。春になると桜並木が美しく咲き、地元の人々に親しまれている静かな花見スポットです。
嵐山のような観光地のにぎわいはありませんが、その分ゆったりと桜を楽しむことができます。川沿いを歩きながら、穏やかな春の空気を感じられる穴場の桜スポットです。
観光パンフレットにはほとんど載りません。
だからこそ、ここには「観光地」ではない春があります。
最初はすべてが光だった
「最初はすべてが光だった」は、締切ぎりぎりまで書き続けた小説です。
実はこの作品を書こうと考えたとき、主人公の家の場所として思い描いていたのが、「ありすの小径」の近くでした。静かで、どこか物語が生まれそうな空気を感じたからです。
主人公が通う小学校も、当初は北梅津小学校に設定しようと思っていました。けれど物語を書き進めるうちに、舞台は少しずつ変わっていきました。最終的には、小学校ではなく、主人公がピアノ教室へ向かう途中の道として、その風景を作品の中に残すことになったのです。
梅宮大社には京都に住んでいた時、何度も行った事があった。梅宮大社から北梅津小学校の間には私が三才頃からピアノを習った藤井先生のピアノ教室があった。北梅津小学校近くを流れる有栖川には春は桜の並木が綺麗で、レッスンが終わると母と一緒に梅宮大社にお参りをして、自転車を押しながらゆっくり桜の並木を歩いて家に帰った。
有栖川の桜並木は「アリスの小径」となって、今は夜のライトアップが行われているらしい。
ここから梅宮大社も近いこともあり、私はありすの小径に何度も足を運びました。けれど、この桜並木の美しさに気づいたのは、実は昨年のことなのです。
梅宮大社には数えきれないほど参拝してきたのに、こちらの道をゆっくり歩いたのは、昨年が初めてでした。
初めてこの道を歩いた日、本当に心が満ちていくような感覚がありました。
水面に映る光。
揺れる桜。
風の透明さ。
何気なく、あのとき見た景色を近くのベンチに座ってメモに書き留めました。
それが、やがて物語の原点へとつながっていったのです。不思議な巡り合わせでした。
ありすの小径・ライトアップ

小説にも書いた通り、昨年はありすの小径でライトアップが行われました。私は行くことができませんでしたが、人出もそれほど多くなく、静かな春の夜をやわらかく照らす、風情ある風景だったのではないかと思います。
桜のトンネル
満開のころ、ありすの小径は小さな桜のトンネルになります。
川のせせらぎを聞きながら、花びらの下を歩く。
足元にも、空にも、春がある。
豪華ではない。でも、忘れられない風景です。
動画で残した春の記録
アクセス情報
📍 京都市右京区(梅津エリア・有栖川沿い)

✅梅津北小学校付近にありすの小径の入り口があります。

🚶 静かな住宅地のため、マナーを守って散策を。
※観光地化されたスポットではないため、訪問時は周辺住民への配慮を大切に。